『法務参謀アカデミー』の 社会的使命について Mission

失われた40年になろうとするこの国の経済を再興し、国際社会に真に貢献することのできる日本を取り戻すために、優れたアイデアと情熱をもった起業家を生み育てることのできる環境を整え支援することが極めて重要である。

しかし、それだけでは足りない。そうした起業家が生み出す事業の種子をリアルに市場に落とし込み、生活を豊かにする製品やサービスを顧客に届け、社会を富ましめるためには、事業と社会の仕組み、そしてこれを支える社会的インフラである法律を熟知し、それを適切かつ最大限に活用することのできる “法務参謀” がまた同じように重要である。

我々、『法務参謀アカデミー』 はそうした “法務参謀” を生み・育てるインキュベーターとなりたい。

法務参謀アカデミー
校長 登島 和弘

「インハウス弁護士を含め、
企業の中で法務業務に携わる者が、
必ずしもこの国のビジネスに
きちんと貢献できていない
のではないか

という問題意識から、
「経営」について考察する

01. 経営とは何か

経営とは一言でいえば、
『富を継続的に生み出すために、
限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報・時間)を配分し、
組織を存続・成長させるための
意思決定と実行のプロセス』
である。

「経営」を考えるときの
重要な考慮事項

  • 目的性のアイコン

    目的性

    利益の追求、社会的使命の達成、ステークホルダーとの調和。

    法務参謀アカデミーではこれをしっかり理解することが重要だ、というマインドセットを学んでもらう

  • 統合性のアイコン

    統合性

    法律以外にも、財務・マーケティング・人事・生産・技術開発などの複合領域を統合。

    法務参謀アカデミー本科および法務参謀フォーラム(アドバンスコース)では、この統合性の観点から基礎的理解を身につけていただく

  • 意思決定とリスクのアイコン

    意思決定とリスク

    不確実性の中でリスクを引き受け、決定し、資源を投下する。

    法務参謀アカデミーを修了するときには、これがある程度 “できる” という自信をもって卒業してもらう。

つまり「経営」は
「最適な答えのない状況で、
組織を動かすための選択をする営み」と言えます。

02. 企業法務パーソン(法曹を含む)
経営の距離

企業法務パーソンは「ルールを守らせる」
「権利を守る」ことに長けているが、
それが必ずしもビジネスを
前に進めることや、
経営戦略を立案し実行することに
直結しないという現実がある。

その3つの理由

  • Reason 1

    Reason 1 経営は不確実性に挑むが、
    法律は確実性を担保する

    経営は「やってみなければ分からない」決断の連続。
    法律は「予見可能性」を重視し、過去のルールに照らす。

  • Reason 2

    Reason 2 経営はトレードオフの最適化、
    法律は白黒の判断

    経営は「どちらを優先するか」の選択。
    法律は「適法/違法」の峻別。

  • Reason 3

    Reason 3 価値創造 vs. リスク回避

    経営の本質は新しい価値を作ること。
    法律家はリスクを回避・軽減することに重きを置く。

このミスマッチが、
「企業法務パーソンが、
必ずしもこの国のビジネスに
きちんと貢献できていない」という現象
の背景にあると考えられる。

03. 企業法務パーソンが
経営に貢献する道

企業法務パーソンは
もととも経営に弱いわけではない。
学ばなければならないのだ、
という動機付けがなかった、
あるいは、その機会がなかっただけである。
経営の視点を身につければ
大きく経営に貢献できる素地を
もっているのである。

  • 01 リスクマネジメント リスクマネジメント

    コンプライアンス、ガバナンス、
    危機管理。

  • 02 交渉力・契約構築力 交渉力・契約構築力

    取引条件を有利に導く。

  • 03 制度設計力 制度設計力

    M&Aスキーム、事業再編、
    知財戦略など。

  • 04 ステークホルダー調整力 ステークホルダー調整力

    株主、従業員、規制当局との
    関係構築。

ここに「価値創造の視点」を加えれば、
企業法務パーソンは経営において
極めて強力な参謀になることができる。
『法務参謀アカデミー』 は
それを総合的に学ぶことができる
わが国で唯一無二の場である。

04. 企業法務パーソンが
経営を理解するための視座

  • 経営学

    基本

    ドラッカーのマネジメント論や現代の戦略論(ポーター、RBVなど)
    https://www.jil.go.jp/column/bn/column007.html

  • 財務会計

    理解

    数字で事業を見る力

  • マーケティング

    理解

    顧客価値を基点に発想する習慣

  • リーダーシップ

    組織論

    人を動かす力

つまり、法律の知識は経営の「必要条件」にはなりえても、「十分条件」ではない。

05. まとめとして

  • point01

    経営とは、不確実性の中で意思決定をし、組織を動かして価値を創る営み。

  • point02

    企業法務パーソンは確実性の確保やルールの適用に強いが、
    それだけでは経営のダイナミズムに対応できない。

  • point03

    しかし、「価値創造」や「顧客満足」の観点から、リスク管理・交渉・制度設計の能力を鍛えれば、経営に大きく貢献できる。

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